アームレスリングという競技は力が重要な要因となりますので、体重つまり階級というものが至極当然のように存在します。

地方大会や道場杯といったレベルでは、体重は不問で強さ別にクラス分けを行ったりもしていますが、県大会やましてや全日本大会レベルともなると、競技クラスを分ける要素は体重となります。

腕相撲から派生するかたちで日本でアームレスリング組織が発足したのが1977年で、同年には全日本大会が開催されました。
全日本大会は黎明期には不定期開催でしたが、1987年以降は毎年開催されるようになり、その時々において主催者の判断で階級分けの最適化が行われました。

1977年より2018年までの全日本大会での男子の階級分けを紹介します。

1977~2002年の男子階級

黎明期の不定期開催の頃は3クラスというシンプルな階級分けで、競技は右腕だけで左腕は行われていませんでした。

また、この時期は「未満」で階級分けが行われており、無差別級は「以上」という認識となっています。

  • 1977(第1回)
    1978(第2回)
    1980(第3回)
    1985(第4回)
    1987(第5回)
    レフト ライト
    • 軽量級
    • 中量級
    • 重量級
  • 1988(第6回)
    1989(第7回)
    レフト ライト
    • フェザー級
      (60kg未満)
    • ライト級
      (70kg未満)
    • ミドル級
      (80kg未満)
    • ライトヘビー級
      (90kg未満)
    • ヘビー級
      (90kg以上)
  • 1990(第8回)
    レフト ライト
    無差別級
    • フェザー級
      (60kg未満)
    • ライト級
      (70kg未満)
    • ミドル級
      (80kg未満)
    • ライトヘビー級
      (90kg未満)
    • ヘビー級
      (90kg以上)
  • 1991(第9回)
    レフト ライト
    • 75kg未満
    • 75kg以上
    • 60kg未満
    • 70kg未満
    • 80kg未満
    • 90kg未満
    • 90kg以上
  • 1992(第10回)
    1993(第11回)
    レフト ライト
    • 70kg未満
    • 95kg未満
    • 95kg以上
    • 65kg未満
    • 75kg未満
    • 85kg未満
    • 95kg未満
    • 105kg未満
    • 105kg以上
  • 1994(第12回)
    1995(第13回)
    1996(第14回)
    レフト ライト
    • 72kg未満
    • 90kg未満
    • 90kg以上
    • 60kg未満
    • 65kg未満
    • 72kg未満
    • 80kg未満
    • 90kg未満
    • 90kg以上
  • 1997(第15回)
    レフト ライト
    • 60kg未満
    • 70kg未満
    • 80kg未満
    • 90kg未満
    • 90kg以上
    • 55kg未満
    • 60kg未満
    • 65kg未満
    • 70kg未満
    • 75kg未満
    • 80kg未満
    • 90kg未満
    • 90kg以上
  • 1998(第16回)
    1999(第17回)
    2000(第18回)
    レフト ライト
    • 50kg未満
    • 60kg未満
    • 70kg未満
    • 80kg未満
    • 90kg未満
    • 100kg未満
    • 100kg以上
    • 50kg未満
    • 55kg未満
    • 60kg未満
    • 65kg未満
    • 70kg未満
    • 75kg未満
    • 80kg未満
    • 85kg未満
    • 90kg未満
    • 100kg未満
    • 100kg以上
  • 2001(第19回)
    2002(第20回)
    レフト ライト
    • 55kg未満
    • 60kg未満
    • 65kg未満
    • 70kg未満
    • 80kg未満
    • 90kg未満
    • 100kg未満
    • 100kg以上

中量級(75kg前後)の階級分けの細分化が一気に進んだのが1997年というのがこれより分かりますが、1996年の結果を見ればその理由は容易に推測することができます。

1996年の80kg級には、全日本チャンピオン経験者2人と新進気鋭の若者1人がエントリーしており、その3者で大接戦となりました。
この3選手は後に世界チャンピオンを獲得する傑物達です。

実力伯仲の戦いの結果、新進気鋭の若者がチャンピオンとなり、全日本チャンピオン経験者2名は準優勝と第3位となりました。

スター選手同士の戦いが見られ非常に楽しめるトーナメントとなりましたが、やはりそれだけの選手には王者の座がふさわしいということで、翌年1997年には階級増というコントロールが入ったのでしょう。
もちろんアームレスリング人口が増加したことも大きなファクターです。

左右階級統一のメリット

2001年からは左右の階級が統一され、この変更によりレフトハンドで不利益をこうむる選手が激減しました。

1998年を例にとると
・左は60kg、70kg、80kg
・右は60kg、65kg、70kg
というように左腕の方がおおざっぱに階級分けされており、例えば体重64kgの選手はライトハンドは65kg級に出場しますが、レフトハンドだと70kg級に出場しなければならず、上位入賞は困難を極めたものです。

それでも同年は右で65kgに出場したスター選手が左70kgで決勝進出し、その競技能力の高さを証明したりしたものです。

2003~2018年の男子階級

2003年初頭にはアームレスリングの新団体「AJAF(アジャフ)」が発足し、初年度から全日本大会が開催されました。

新団体ゆえ出場選手が2002年以前よりもやや減少したため、階級分けはおおまかな傾向に回帰し、極端に軽い又は重い区分は廃止となります。

階級分けは「未満」から「以下」に変更となり、無差別級は「以上」から"~より上"を意味する「超」になりました。
世界大会のクラス分けがそのような作法となっており、それを踏襲したのでしょう。

AJAFの隆盛及びアームレスリング人口の増加に比例して出場選手が増えると、2005年には重量級クラスが「105kg超」まで新設されますが、「95kg以下」「105kg超」の3階級の左右を、AJAF最強のいち選手が総なめにするという結果になり、翌年2006年には重量級の区分が減少しています。

  • 2003(第1回)
    レフト・ライト
    • 60kg以下
    • 70kg以下
    • 80kg以下
    • 90kg以下
    • 90kg超
  • 2003秋季
    (第2回)
    レフト・ライト
    • 57kg以下
    • 63kg以下
    • 70kg以下
    • 78kg以下
    • 86kg以下
    • 86kg超
  • 2004(第3回)
    レフト・ライト
    • 60kg以下
    • 65kg以下
    • 70kg以下
    • 80kg以下
    • 90kg以下
    • 90kg超
  • 2005(第4回)
    レフト・ライト
    • 52kg以下
    • 57kg以下
    • 63kg以下
    • 70kg以下
    • 78kg以下
    • 86kg以下
    • 95kg以下
    • 105kg以下
    • 105kg超
  • 2006(第5回)
    レフト・ライト
    • 57kg以下
    • 63kg以下
    • 70kg以下
    • 78kg以下
    • 86kg以下
    • 86kg超
  • 2007(第6回)
    2008(第7回)
    2009(第8回)
    2010(第9回)
    2011(第10回)
    2012(第11回)
    レフト・ライト
    • 60kg以下
    • 65kg以下
    • 70kg以下
    • 80kg以下
    • 90kg以下
    • 90kg超
  • 2013(第12回)
    レフト・ライト
    • 60kg以下
    • 65kg以下
    • 70kg以下
    • 80kg以下
    • 90kg以下
    • 100kg以下
    • 100kg超
  • 2014(第13回)
    2015(第14回)
    2016(第15回)
    2017(第16回)
    2018(第17回)
    レフト・ライト
    • 55kg以下
    • 60kg以下
    • 65kg以下
    • 70kg以下
    • 75kg以下
    • 80kg以下
    • 90kg以下
    • 100kg以下
    • 100kg超

2010年代に入るとアームレスリング人口がさらに増加し、AJAF全日本大会出場者は2002年以前よりも多くなりました。
その結果2014年のような階級分けとなり、2018年現在もそのまま受け継がれています。

そしてこの2018年現在の階級というのは、アームレスリング世界大会の階級分けと酷似していますので、世界大会を見据えた選手が大会のたびに減量・増量をせずに済むというメリットがあり、世界との親和性がより高まったといえます。

2017年世界大会動画及び階級については、次をご覧くださいませ。

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